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最近はやってるステルスマーケティングってなんですの?
いわゆるステマについて、ちょいと調べてみたので簡単にまとめてみましょう。



○○○が○○○したから許せない~とか、○○○が○○○したから叩け~とか、そういう記事じゃありません。
ステルスマーケティングという手法についての考察と、消費者としての心構え、的な?内容になっとります。

ステルスマーケティングの有用性は?
ステルスマーケティングの弊害は?



・ステルスマーケティング?なにそれおいしいの?

普通の会社では製品を売るために、テレビや新聞など様々なメディアに広告を打ちます。
お客さんはそれを見てさまざまな製品を見比べるわけです。
これが通常の広告です。

でも中には、広告を打たなくても、お客さんの中で勝手に評判が高まり、それで人気となる製品もあります。
一般的な流通品よりも、品質が良い、値段が安い。
そのような良い品は、自然と噂になるわけです。
これをクチコミといいます。



例えば、A社の製品がクチコミで評判が広がり売れているとします。
その時、同業のB社はどうすればよろしいのでしょうか?

①品質の高い新製品を作り、新しいお客さんを呼び込む

②今まで通りの品を作り続け、これまで買ってくれていたお客さんの信頼に答える

③一部のお客さんにお金を渡して、評判を広げてもらう



B社が①の方法を取った場合、B社はA社よりもたくさん頑張らないといけません。
クチコミを広げるためには、一般的な流通品よりも良い品を作らなければならないからです。

もちろん新しい投資が必要となるため、失敗したときのリスクも大きくなります。
A社がB社に負けじとがんばれば、B社はA社に負けないためにさらなる投資が必要になります。

この競争を長いスパンで行えば、それは経済の成長となるのですが、短いスパンで行えばそれは過当競争です。
A社もB社も、休む暇もなく、がんばりすぎて疲れてしまうでしょう。
そうなると、いつか製品の品質までガタガタになり、昔からのお客さんまで離れていってしまいます。



B社が②の方法を取った場合、B社は新たな投資は必要としません。
これまで通りの営業内容で、安定した品質の品を、お客さんにお渡しすることが出来ます。
A社なんてほっといて、ご愛顧下さるお客さんにだけ真摯に向き合えばいいんです。

一見、①の方がより大きな成果を得られるように見えます。
しかし、現場でお客さんと接している人間ならば、わずかな品質の変化に対するお客様の反応の大きさは良く知っているはずです。
目には見えづらいのですが、安定した製品を作るという事は、新しい製品を作る事と同じくらい、大きな成果を得ているのです。

もちろん②にも問題はあります。
老舗ならば痛感していると思うのですが、お客様は時間と共に去って行きます。
製品にご満足頂いていたとしても、引っ越しなどのどうしようもない理由で、離れていってしまうお客様はいます。
新たなお客さんを呼び込まなければ、B社はやがてジリ貧となってしまうでしょう。


①と②をバランスよく行う。
これが本来です。



ですが最近はやりのお手軽な裏ワザもあります。
それが③。
今、話題の ステルスマーケティング です。

一部のお客さんにお金を渡して、B社の品をクチコミしてもらいます。
A社の品の悪口もいっしょに流してもらえば効果はより高いでしょう。

お手軽にクチコミ効果が得られます。

ならみんな、これやればいいんじゃない?
…とお思いでしょうが、実はこのステルスマーケティングには構造的な欠陥があります。




・ステルスマーケティングにも…、穴はあるんだよな…

穴その1 効果期間

本来、クチコミの効果はあくまで一時的なものです。
流通品より良い品がクチコミで広がっても、流通品に品質で追いつかれてしまえば、クチコミの効果はなくなってゆくでしょう。
ステルスマーケティングの効果期間はさらに短期です。
流通品と変わらない品を、特別な品物であるかのように吹聴するわけですから、お客さんはいずれ違いに気がつきます。
気付かれてしまえば、他社に追いつかれる間もなく、そこでクチコミ効果は終了です。

ステルスマーケティングは、通常のクチコミ効果よりも短命です。



穴その2 アンチの発生

アンチとは自社を嫌う人たちの事です。
もしもステルスマーケティングを行っている事がバレてしまえば、騙された事を知った人たちはアンチと化します。
ステルスマーケティングの効果は短期的ですが、アンチは長期的に悪評を流布する存在になります。
もしも本当に良い品を売り出し、クチコミで評判が広がったとしても、ステルスマーケティングによるものだと誹られるでしょう。

マズくなったらさっさと店をたためるベンチャー企業ならいざしらず、
長い商売をしている会社ならば、これほど恐ろしい事はありません。
広告の物量を揃えればアンチの声を抑え込むこともできますが、対策費用は常に膨らみ続けます。


穴その3 露呈しやすさ

そう簡単にバレるわけないじゃない。
調べる方法なんてないでしょ?
…とお思いかもしれませんが、実はそうでもないんです。

考えてもみてください。
嘘の評判を実際に広げるのは、信頼おける従業員ではなく、第三者なんですよ。
人の口に戸は建てられず。
必ずいつか漏れる事になります。

それが少数なら管理もできましょう。
しかしクチコミの成果を出すためには相当数が必要です。
クチコミを成功させるためにはステルスマーケティングの数を増やさなければならない、
しかし数を増やせばバレる危険性は上がる。

ジレンマです。



穴その4 ステルスマーケティング業者の存在

ステルスマーケティングを請け負ってくれる業者というものもあります。
業者を利用すれば、その3で述べた、バレる危険が無くなるように思えますが…、
実はこれこそが最大にして最悪のリスクなのです。

自社がステルスマーケティングをしている という情報は、会社にとってのアキレス腱です。
世に出れば、評判はガタ落ち、ブランドの死にも等しい状況となるでしょう。

そんな自社の弱みを預けるのですか?
他社の評判を不当に落とす事で、お金を稼いでいる人たちに。




このようにステルスマーケティングには致命的なリスクが多重に含まれています。

こんなに危ないなら、誰もステルスマーケティングなんてやらないんじゃない?
…と、お思いでしょうが、これまた違うのです。



・それでもステルスマーケティングをやっちまう人たち

実は、ステルスマーケティングが有効な環境もあります。
例えば、社内に人材の長期的評価を行う能力が無い場合です。

評価部署が、短期的な業績にばかり目を奪われている場合、
営業現場はステルスマーケティングを有効な手法だと判断するでしょう。
ステルスマーケティングは、リスクを将来におっつけ、現在の成果だけを誇張して見せようとする人にとっては便利な道具です。
自身の任期中だけ業績を向上させればよい雇われ社長さんなどにも、ステルスマーケティングは魅力的ですね。

これは、これまで短期的な評価しか下せなかった経営者に(出資者に)責任があります。
ステルスマーケティングは、ある日突然取り立てにやってくる巨額の負債ですよ。



ケツに火がついて、将来の事なんて考えてる場合じゃない!なりふり構っていられないんだよ!
そんな時にもきっとステルスマーケティングは濫用されるでしょう。
無理やりにでもブームを起こして一発逆転!な~んてちょっとやそっとじゃ無理ですから、より危険度の高い賭けに出ざるをえません。
そんな事をしていれば、明日の難易度はさらに高くなっているのに。

手を動かして気をまぎらわすのも良いのですが、時にはジッと堪えて温存しなければならない時もあります。



単純に、情報化社会のことをよく判っていないという場合もあるかもしれません。
公民館に呼んだ落語家におひねりを渡して店の宣伝をしてもらう。
その程度のつもりで、ステルスマーケティングをしている人もいるのでは?
落語家がまんじゅう屋の名前を述べても微笑ましいだけですが、ステルスマーケティングがバレればその悪評は長く残り続けます。

インターネット用語で「炎上」というものをご存知でしょうか?
これはブログや掲示板、会社の窓口が、非難の言葉であふれ返ってしまい、収拾がつかなくなった状態を言います。
これは一般的に愉快犯のように思われていますが、実際は腹に一物を抱えた数千、数万のお客様が、たった一言ずつ悪態をついた結果なのです。
(時には本当の愉快犯もいますが)
顔を突き合わせた現場では、言うに言えない言葉でも、インターネットを介してなら簡単に届けることが出来ますからね。

情報化社会は一瞬で悪名を世界中に届け、永遠に刻み込まれます。




・業界的にはステルスマーケティングってどうなん?

ステルスマーケティングは必ず業界を縮小させます。
なぜならステルスマーケティングによってもたらされた情報は、ポジティブなものであれ、ネガティブなものであれ、結果としてネガティブに作用するからです。

ネガティブな情報はお客様を遠のかせるものですから、当然、業界から熱量を奪います。

ポジティブな情報は一時的に業界を潤します。
しかし品物がお客様の手に渡り、誇張された情報だという事がバレれば、やがてネガティブに作用し始めるでしょう。
激怒しアンチと化すお客様もいれば、絶賛されてる品もこの程度かと呆れ、去っていくお客様も増えるでしょう。


ステルスマーケティングを防ぐためには業界の自浄作用に期待したいものです。
すなわち相互監視。
ステルスマーケティングをして悪口を流すより、相手がステルスマーケティングをしている様を指摘した方がダメージは大きいでしょう?
ステルスマーケティングをすれば手痛い反撃が来るとなれば、ステルスマーケティングに手を出す者は減るはずです。
二者がおたがいに必殺の武器を持っている事を知っていれば、争いなんておきません。


想定外のコストを捻出するのは骨が折れるはずです。
古い会社ならば守らなければならないイメージもありましょう。
しかし、一人でも従業員を抱えているのならば、彼らの将来に対する義務を果たさなければなりません。
もしステルスマーケティングで風評を流された会社が 「陰口など言わせておけ」とばかりにステルスマーケティングを放置しておけば、被害を被るのは従業員の将来であり、自社の製品をご愛顧下さるお客様です。




・ んで?消費者的にはどうすりゃいいの?

いや、ホントどうすればいいんでしょうね。
見分ける事なんて出来ないですよね。

ステルスマーケティングは必ず露呈します。
露呈します・・・が、バレるまでの間は好き放題されてるわけですよ。
なんかヤですよね。

「諦めてほっとく」ってのは経済的にも倫理的にも感情的にもよろしくありません。
冷笑主義も思春期くさいですね。
「ステルスマーケティングくらい誰でもやってる」「ステルスマーケティングごときで騒いでる方がウゼェ」
そゆのね。



リスクがゼロなら、みんな気軽にステルスマーケティングを行うようになっちゃいます。
だから消費者は、常に目を光らせていなければなりません。
本来、ステルスマーケティングの確証を得たら徹底的に追求すべきなんです。
対等な利害関係は抑止力によって築かれます。
数こそ消費者の最大の戦力。
一人一言づつでもかまわないので、勇気をもって糾弾の声をあげるべきです。


確証を得ないまま、憶測に基づくバッシングをしている人がいたらそれを制止する事も大切でしょう。
ゴシップに基づいた活動は誰も支持しません。

・ソースは出来る限り大元までさかのぼる
・状況証拠は状況証拠に過ぎない(←重要)
・対立する意見は両側から見る

せめてこのくらいはね。



ただ、個人的にゃ「対立する意見を両側から見る」必要はないんじゃないかなーと思っとります。
それやると、だいたい過激な方に傾いちゃうから。
個人は客観にはなれないと思うよ。
みんなポジショントーク。
特にネット上ではね。
だから積み木のようにロジックを組み上げるしか、正解に到達する道はないと思うのよね。
消費者ならば、消費者としての立ち位置でしゃべればいいんじゃないの?
わざわざ経営者の立場に立って「昨今の経済状況を考えれば悪手も致し方ないだろう」とかさ、いらないと思う。
「よくもダマしたな!ばーかばーか!」ってのが、神の見えざる手のパワーになるんすよ。




例え法規制されてもステルスマーケティングは無くならないでしょう。
存在する以上、各自がステルスマーケティングを勘定に入れた情報の取捨選択を行っていく事が、消費者としての正しい姿勢じゃないんでしょうか。
いわゆるメディアリテラシー。
業界の自浄作用だけではなく、消費者のリテラシーを育む事が、市場の成長に繋がります。



・ぼくらの独立戦争

タカラギコ事件って知っていますか?
インターネット掲示板の2ちゃんねるで愛されているマスコットキャラクターに「ギコ猫」というものがいます。

  今だ!2ゲットォォォォ!!
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄       (´´
       ∧∧  )      (´⌒(´
    ⊂(゚Д゚⊂⌒`つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
          ̄ ̄  (´⌒(´⌒;;    ずざー

おもちゃ会社のタカラが、このギコ猫の商標登録を申請していた事が発覚し、2ちゃんねるの閲覧者たちは強く反発しました。
これは日本のインターネット上においてはじめて行われた、企業対消費者の大規模な衝突だったと記憶しています。
タカラは突然の消費者の反発に面食らう形で、申請を取り下げました。

インターネットが、小さな意見を集約する場になり、消費者ははじめて力を持ちはじめたわけです。
(訴訟が活発な国では、インターネット普及以前にも、集団訴訟という形で消費者の力を集約してきましたが)
タカラギコ事件を皮切りに、インターネット上での消費者の反乱の火は広がっていきました。

企業も黙ってはいません。
反乱を鎮圧するために様々な手を打ってきました。
インターネット上でのステルスマーケティングもその一つです。

ですが、消費者は必死で抗っています。
ステルスマーケティングとの戦いは、企業から自立しようとする消費者たちの独立戦争ですよ。
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